制作だけでなくリアルタイムパフォーマンスにもフォーカスを当てたドイツ生まれの最新DAW「Bitwig Studio」。既に数多くのDAWソフトが存在する中、様々な新機能を引っさげてリリースされた初代Bitwig Studioは、当時から非常に大きな話題性がありました。従来のタイムライン・シーケンサーとノンリニアなクリップ・ランチャーを統合したワークフローや、オーディオ/MIDIの垣根なく制作が行える新規性など、まさに次世代といった機能が搭載されたDAWです。
著名ユーザー
鈴木“Daichi”秀行氏
1994年ConeyIslandJellyFishのメンバーとしてメジャーデビュー後、作編曲家プロデューサーとしての活動をスタート。数々の著名アーティストを手掛ける。
おすすめユーザー
旧来的のMIDI等の知識があまりない、これからDTMを始めてみようと思っている方
新しいワークフローを取り入れて自分の引出しを増やしたい方
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http://miyaji-parec.jugem.jp/?eid=2309
旧来のDAWでは、当たり前のこととしてオーディオやMIDIを別トラックとして分けて編集を行いました。Bitwig Studioではこれが同一のトラック内に格納されることにより編集が容易となり、またトラック数が無闇に増えないだけあって視認性やCPU負荷の観点からも優秀です。
「一般的なワークステーションではなく、音楽制作が楽しくなるような設計をしている」とのメーカー側の言葉通り、従来の当たり前をきちんと音楽的に解決しているところがBitwig Studioのポイント。また、時間軸のUIだけでなくクリップランチャーという音素材の入れ物が別途用意されており、ここでトライアンドエラーを試しながら展開を作ることも得意です。
Bitwig Studioの発売当初話題となったコンテナ機能。インストゥルメントを重ねて複数レイヤーしたり、XY軸に異なる音色を当てはめて自由自在にモーフィングしたりといった複雑な構造を一瞬で構築可能な機能です。込み入ったことが出来るのはもちろん音色だけでなく、エフェクト処理で出来得る範囲も非常に広いです。これらはまとめて「デバイス」と呼ばれ、このデバイスの組み合わせによって本当にいろいろなことが可能になります。
例えば、ひとつのオーディオループに対して、出力の大きいところだけにディストーションをかけて、出力の小さいところにディレイを掛ける…といった、どういった効果が得られるのか良く分からない設定も可能です。Bitwig Studio 2からはこのデバイスが純増したほか、アプリケーション自体がVST3にも対応、また昨今では珍しい32bitプラグインの起動も可能なため、多くのプラグインを扱えるようにもなりました。非常にデバイス同士の組み合わせとルーティングは無限大なので、面白いと思えるものは積極的にプリセット保存をしておきましょう。
エディットと言えば外せないのがモジュレーション機能。どんなプラグインに対しても、どんな設定に対しても、数値の可変項目があればそこにモジュレーションを掛けてしまうことが可能です。そう言うと当たり前のように聴こえますが、25種にも及ぶモジュレーションがデフォルトで搭載されたBitwig Studioの音作りはかなりディープかつユニークです。
Ableton Liveなどと同様にマクロを組むことも可能で、複数の設定項目をひとつにまとめて操作することも可能。それをまたモジュレーションすることが可能。そして、これらの設定が、サードパーティ製のソフトウェアでも問題なく挙動する点が素晴らしいです。
そう考えると難しく思えてしまいますが、UIはカラフルで分かり易いのがBitwig Studioの良いところ。やろうと思えばどこまでもディープに、ですが初心者にも分かり易く音楽的に。こういった部分が、Bitwig Studioの魅力ではないかと思います。
Bitwig Bitwig Studio 2 ¥49,950-
Bitwig Bitwig Studio 2 アカデミック版 ¥33,480-
- 2017.04.10 Monday
- 主要DAWを極める!Bitwig/Bitwig Studio編