この記事は2015.08.26 Wednesdayに書かれたものです。
Slate Digitalの新たなスタンダードとして注目を集めるVMR(Virtual Mix Rack)。
API500シャーシとほぼ同じ要領で、ブランクのモジュールスロットに、モジュールをインサートしていくスタイルで、発売当初から追加モジュールの発売が予告されておりました。
この度、追加モジュールとしてCustom Series Bundle が発売!
Slateが得意とするアナログ・エミュレーション技術を活かしたリアルでナチュラルな音質と、スピーディなサウンド・メイキングを可能にする直感的なUIが特徴です。
Custom Series Bundleを拡張モジュールとして追加すれば、自由度の高いルーティングを駆使して理想のチャンネル・ストリップを創造できるVMRの可能性が更に広がります。
こちらはVMRユーザーはもちろんのこと、VMRのブランクシャーシは無償提供されますので、Custom Series Bundle単体のご購入でもご使用頂けます。
数えきれないほどのアナログEQを研究し、それぞれの個体で異なる長所となる特性を計算し一つのモジュールの中に統合した、という謳い文句の「Custom Series EQ」。
各バンド毎にそれぞれ別々のEQモデリングが採用されており、用途毎に幅広い使い道が期待できそうです!
実際に試してみたところ、「アナログEQ」をうたっているだけあって非常に滑らかなサウンドでした!
プラグインのEQにありがちな""ブーストすると音にジャギジャギとした角ができてしまうあの感じ""が全くなく、積極的な音作りをすることができます。
特にハイエンドを突っ込んだときの滑らかさは他のプラグインEQには中々出せない質感ですね!
また、EQ部分だけでなくアウトプット部分にもアナログ回路のエミュレートが組み込まれています。
これにより、EQを全てオフにしても"インサートするだけで音にアナログ感が付加される効果"を得る事ができます。
ちなみに触ってみてわかったんですが、アウトプットレベルを突っ込めば突っ込む程アナログ感が付加される仕様のようです!
ちなみに同社VMRモジュールの1つ「TRIMMER」と組み合わせて使用すれば、かなり突っ込んだ設定にすることも可能ですよ!(※突っ込みすぎるとコンプ感がすごいので適量で。笑)
EQ Off+TRIMMER
※「Dry→EQ Off + TRIMMER」の順に再生
非常にシンプルな2ノブ仕様のGUIが特徴的な本プラグイン。
Custom Series LIFTは高域と低域をそれぞれ個別に ”持ち上げる” アナログ・モデリングのフィルタープラグインです。
触ってみた感じはEQというよりはエンハンサーの様なかかり方に近く、インサートしたトラックに対して非常にナチュラルに質感や存在感をプラスすることができます。
リードトラックにガッツリかけて目立たせるもよし、隠し味としてちょい足しするもよし、といった感じで非常に使いやすいプラグインです。
こちらもCustom Series EQと同様に、ブーストしていっても全くと言っても良い程破綻しません。
特にローエンドはガッツリかけてもブーミーになることなくサウンドにボディを作ることができます。
また、LIFTの各セクションにはモード切替スイッチがついており、それぞれ2種類のかかり方を使い分けることができます。
HIGH LIFTには「PRESENT」と「SILKY」二つのセッティングが用意され、前者はミッドレンジに、後者はトップ・エンドと、エンハンスする周波数帯域を選択可能です。
LOW LIFTには「BIG」と「PUNCHY」のセッティングを搭載しています。
「BIG」にするとファットな音像、「PUNCHY」にするとタイトな音像になります。
「PUNCHY」モードでローエンドをブーストしたキックは最高にクールなサウンドに!
この素晴らしい2つのプラグインですが、文章だけでは中々良さが伝わらないと思いますので、例の如くサウンドサンプルをアップロードいたしました!
それではお楽しみください!
※それぞれ「Dry→EQ Only→LIFT Only→EQ+LIFT」の順に再生。
参考までに今回作ったセッティング例を掲載しておきます。
Vocal
Guitar
Bass
Drums
担当:遠藤
Slate Digital Custom Series Bundle ¥19,440(税込)
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- 2015.08.26 Wednesday
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